ソーラーリターンとは、太陽が生まれた瞬間と同じ位置に戻る時刻の空を描いたホロスコープです。「太陽回帰図」という和名でも知られています。
太陽は1年かけて12星座をひと回りし、毎年、誕生日の前後に生まれたときの位置へ戻ってきます。その瞬間の図で、次の誕生日までの1年を読むのがソーラーリターンです。
はじめに押さえておきたい点は、次の三つです。
- 太陽が戻る瞬間は1年に1回、誕生日の前後にあります
- 戻る時刻は毎年約6時間ずつ遅れ、うるう年に約18時間早まります
- 天庵はこの図を、1年の出来事を言い当てる道具ではなく、目を向けたいテーマを考える材料として読みます
天庵は、ソーラーリターンを「太陽を定点にした、1年に1枚の空の写真」と考えています。太陽は毎回同じ場所に写り、まわりの星だけが毎年入れ替わるからです。
出生図の成り立ちから知りたい方はホロスコープとはを、言葉の意味を探す方は星座・占星術の用語集をどうぞ。
ソーラーリターンの基本|誕生日のころに作る「1年の図」
まず、ソーラーリターンの基本を表にまとめます。
| 項目 | ソーラーリターン |
|---|---|
| 別の呼び名 | 太陽回帰図・ソーラーリターンチャート |
| 図を作る瞬間 | 太陽が、生まれたときと同じ黄経に戻った瞬間 |
| 何年に1回か | 毎年1回。多くは誕生日の前日・当日・翌日 |
| 使う天体 | 出生図と同じく、太陽から冥王星までの天体 |
| 作る場所 | 流派で違い、生まれた場所か、その日にいる場所 |
| 使い道 | 次の誕生日までの1年のテーマを読む |
黄経とは、太陽の通り道の上で、春分の点から何度進んだかを表す角度です。ソーラーリターンの図では、太陽だけは毎年まったく同じ角度に置かれます。
出生図は一生に1枚、ソーラーリターンは毎年1枚
出生図は、生まれた瞬間の空を描いた、一生に1枚の図です。性格や持ち味を読む土台として使われます。
ソーラーリターンは、その出生図の太陽に、毎年もう一度光を当てるような図です。年ごとに作り直すので、一人が何枚も持つことになります。
サターンリターンとの違いは「戻る星」と「間隔」
土星版のリターンとして、サターンリターンという言葉もよく聞かれます。こちらは土星が生まれたときの位置へ戻る時期で、約29年半に一度です。
ソーラーリターンは太陽なので、1年に一度です。どちらも「生まれたときの位置に戻る」という考え方は共通しています。土星の戻る時期の早見表はサターンリターンとはにあります。
太陽が戻る時刻は、毎年約6時間ずつずれる
ソーラーリターンの時刻は、誕生日と同じ時刻にはなりません。理由は、1年の長さが365日ちょうどではないからです。
1年は365日と、あと約5時間49分
太陽が春分の点からひと回りして戻るまでの長さを、太陽年といいます。日本天文学会の天文学辞典では、約365.24219日です。
これを時間に直すと、365日と5時間48分45秒ほどです。英語版ウィキペディアの「Tropical year」でも、同じ値が示されています。
カレンダーの1年は365日なので、太陽が戻るのは毎年、前の年より約5時間49分あとになります。これが「約6時間ずつずれる」理由です。
例:1995年7月7日正午生まれの人の場合
天庵の計算で、1995年7月7日12時(日本時間)に生まれた人の戻る時刻を並べました。架空の生年月日で、仕組みを見るための例です。
| 年 | 戻った瞬間(日本時間) | 前の年からのずれ |
|---|---|---|
| 2020年 | 7月6日 13:13 | — |
| 2021年 | 7月6日 19:05 | 5時間52分あと |
| 2022年 | 7月7日 0:37 | 5時間32分あと |
| 2023年 | 7月7日 6:30 | 5時間53分あと |
| 2024年 | 7月6日 12:19 | 18時間11分前(うるう年) |
| 2025年 | 7月6日 18:04 | 5時間45分あと |
| 2026年 | 7月6日 23:56 | 5時間52分あと |
| 2027年 | 7月7日 5:36 | 5時間40分あと |
| 2028年 | 7月6日 11:29 | 18時間7分前(うるう年) |

この人は、誕生日の7月7日より、前日の7月6日に戻る年のほうが多くなりました。前日になりやすいかどうかは、生まれた時刻、うるう年の何年後か、生まれてからの年数で変わります。
うるう年に、時刻が約18時間早まる
うるう年には2月29日が加わり、カレンダーの1年が366日になります。暦の側が1日長くなるので、戻る時刻は前の年より約18時間早く見えます。
約6時間のずれが4年たまると、ほぼ1日になります。うるう年はそのずれを、カレンダーの側で取り戻す仕組みです。
ただし、ずれは4年で1日にわずかに足りません。そのため同じ人の戻る時刻は、4年ごとに1時間足らずずつ早まります。例の表でも、2020年13:13、2024年12:19、2028年11:29と早まっています。
何十年もたつと、戻る日が誕生日の2日前になる人も出てきます。天庵の計算では、1963年7月10日4時生まれの人は、2028年は7月8日20時52分に戻ります。
ずれが5時間半から6時間弱まで揺れるわけ
表のずれは、5時間32分から5時間53分まで、年ごとに少しずつ違います。太陽の見かけの位置が、わずかに前後するためです。
地球の自転軸の小さなふらつきや、月・惑星の引力が重なるためと説明されます。平均すると、太陽年の長さどおりの約5時間49分になります。
NASAの天体暦と照合しました
表の時刻は、天庵が手元の計算で出したものです。同じ時刻を、NASAのジェット推進研究所が公開する天体暦(Horizons)でも求めています。
2020〜2032年の13回で比べると、差はどれも0.2分以内でした。生まれた瞬間の太陽の位置も、小数点以下4桁まで一致しています。

ソーラーリターンは、誕生日当日とは限らない
戻る日が誕生日の前日や翌日になる人は、どれくらいいるのでしょうか。天庵が、たくさんの誕生日でまとめて数えました。
この数字の出し方
- 1960年1月1日〜2009年12月31日の毎日に、1人ずつ生まれたとする
- 生まれた時刻は、全員を日本時間の正午にそろえる
- 2月29日生まれの13人は、比べる日がないため除く(残り18,250人)
- 2026・2027・2028年に太陽が戻る日を、日本時間の日付で比べる
年によって、当日の人の割合が大きく変わる
| 戻る年 | 誕生日の前日 | 誕生日の当日 | 誕生日の翌日 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 22.3% | 77.7% | 0% |
| 2027年 | 4.4% | 89.7% | 5.9% |
| 2028年(うるう年) | 59.7% | 39.0% | 1.3% |
2027年は、約9割の人が誕生日の当日に戻ります。うるう年の2028年は、3月以降の誕生日で日付が1日前へずれるため、前日の人が6割近くになります。
これは全員を正午生まれとしたときの数字です。朝早く生まれた人は前日に、夜遅く生まれた人は翌日に寄りやすくなります。
誕生日のお祝いは、カレンダーの日のままで
ソーラーリターンの日が前日だとしても、誕生日そのものが変わるわけではありません。年齢の数え方やお祝いは、カレンダーの誕生日どおりです。
ソーラーリターンは、占星術で1年の図を作るための「太陽の誕生日」と考えると分かりやすいでしょう。
ソーラーリターンの図で読まれること
ソーラーリターンの読み方は、流派によって違います。ここでは、よく取り上げられる見どころと、天庵の読み方を紹介します。
よく見られる3つのところ
- 図の東の地平線にある星座(アセンダント):その1年の雰囲気
- 太陽が入るハウス:その1年に力を注ぎやすい分野
- 月の星座とハウス:その1年に安心を求めやすい場面
アセンダントは、出生図の東の地平線と黄道が交わる点です。アセンダントとはで説明しています。ハウスは、図を12の生活の場面に分けたものです。くわしくはハウスとはへ。
作る場所で、アセンダントとハウスが変わる
太陽が戻る瞬間は、世界中で同じ一瞬です。ただ、その瞬間にどの星座が東の地平線にあるかは、場所によって違います。
そのため、生まれた場所で作るか、その日にいる場所で作るかで、アセンダントとハウスが変わります。天体の星座は、どこで作っても同じです。
天庵の読み方:1年の出来事より「今年の問い」
天庵は、ソーラーリターンで1年に起こることを予言する読み方はしません。図から読み取るのは、目を向けるとよさそうなテーマです。
たとえば太陽が仕事の場面のハウスにあれば、「今年、仕事で育てたいことは何か」と自分に問いかけます。問いへの答えは、図の中ではなく日々の選択の中にあります。
去年の図と並べるのもおすすめです。太陽は同じ場所に写り、まわりの星だけが動いた2枚の写真として、1年の変化を振り返れます。
自分のソーラーリターンを調べる3つの手順
- 母子健康手帳などで、生まれた日・時刻・場所を確かめる
- ホロスコープを作れる計算サイトやアプリで、ソーラーリターンの図を選ぶ
- 作る場所(生まれた場所か、その日にいる場所)を選び、出てきた日時を確かめる
出てきた日時が、この記事の例のように誕生日の前日になることもあります。驚かなくて大丈夫です。
生まれた時刻の記録がない人は
太陽は1日に約1度しか進みません。そのため、出生時刻が分からないと、戻る時刻も最大で半日ほど前後します。
その場合、アセンダントやハウスは決められません。天体の星座だけを読む簡単な見方にとどめるのが安心です。
いまの空の動きと合わせて見る
ソーラーリターンは、1年に1枚の図です。その年の途中の動きは、いまの空の天体と出生図を比べるトランジットで見ることが多くなります。
トランジットの考え方は、トランジットとはにまとめています。
関連する用語
- サターンリターンとは:同じ「戻る」でも、土星の場合は約29年半に一度です
- プログレスとは:生まれた後の1日を1年とみなす技法で、1年に1枚の図とは時間の物差しが違います
- 誕生日の星座早見表:星座の境目が年で動くのも、1年が365日ちょうどでないためです
- 太陽星座とは:ソーラーリターンで戻ってくる、出生図の太陽の読み方です
- ハウスとは:ソーラーリターンの図で、太陽や月がどの場面に入るかを見る区切りです
よくある質問
Q. ソーラーリターンで、1年の運勢が分かりますか?
この図だけで、1年に起こることを決めることはできません。天庵は、その1年に目を向けたいテーマを考える材料として読んでいます。
Q. 毎年、同じ時刻に太陽が戻らないのはなぜですか?
1年の長さが、365日より約5時間49分長いからです。そのぶん毎年遅れ、うるう年にカレンダーの側で取り戻します。
Q. 誕生日に海外にいるときは、どの場所で作ればいいですか?
流派によって、生まれた場所で作る考え方と、その日にいる場所で作る考え方があります。場所が変わると、アセンダントとハウスが変わります。
Q. 太陽が誕生日の前日に戻る年は、何か意味がありますか?
特別な意味はありません。生まれた時刻、うるう年からの年数、生まれてからの年数で決まる、暦の上の仕組みです。
Q. 何歳からソーラーリターンを見られますか?
1歳の誕生日のころから、毎年1枚ずつ作れます。子どもの図を読むときも、決めつけず、見守る手がかりにとどめるのがおすすめです。
まとめ|ソーラーリターンは、太陽を定点にした1年に1枚の写真
ソーラーリターンとは、太陽が生まれた瞬間の位置に戻る時刻の空を描いた図です。誕生日の前後に、毎年1回やってきます。
戻る時刻は、1年が365日と約5時間49分あるため、毎年約6時間ずつ遅れます。うるう年には、約18時間早まります。
図から読めるのは、1年の答えではなく、目を向けたいテーマです。1年をどう過ごすかは、図ではなく、あなたの手の中にあります。
自分の星座の基本を知りたい方は、12星座の一覧から読み始めてください。
出典
- 太陽年の長さ(約365.24219日):日本天文学会 天文学辞典「太陽年」
- 太陽年の長さ(365日5時間48分45秒ほど):Wikipedia「Tropical year」
- 2020〜2032年の13回の時刻を確かめた天体暦:NASA JPL「Horizons System」
- 太陽が戻る時刻と、誕生日の前日・当日・翌日の割合:天庵の計算(条件は本文のとおり)


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