プログレスとは、生まれた後の1日を人生の1年に重ねて、出生図の星を少しずつ進める技法です。日本語では「進行図」や「進行法」とも呼ばれます。
たとえば30歳の年を読むときは、生まれてから30日目の空を使います。その日の太陽や月の位置を、30歳の「進行の星」として扱うのです。
この記事で押さえたい点を、先に三つ挙げます。
- 50年分の誕生日で数えると、進行の太陽が次の星座へ移るのは平均15.2歳。3人に1人は10歳までに移ります
- 進行の月は、約2.3年ごとに星座を移り、およそ27年で12星座を一巡りします
- 今の空を見るトランジット、誕生日ごとの図を見るソーラーリターンとは、見る時間の物差しが違います
天庵は、プログレスを「自分の図に流れる、ゆっくりした季節」と読んでいます。季節は来るものですが、その季節に何を育てるかは、ご本人が選べます。
専門の言葉でつまずいたら、星座・占星術の用語集で意味を確かめながら読み進めてください。
プログレスの基本|「生まれた後の1日」を「人生の1年」に重ねる
まずは、プログレスの基本を一つの表にまとめます。
| 項目 | プログレス |
|---|---|
| 別の呼び名 | 進行図・進行法・セカンダリー・プログレッション |
| 決まりごと | 生まれた後の1日を、人生の1年に重ねる |
| 使う日付 | 生年月日に、年齢と同じ日数を足した日 |
| よく見る星 | 進行の太陽と進行の月 |
| 1年で進む度数 | 太陽は約1度、月は約12〜15度 |
| 必要な情報 | 生年月日(進行の月まで読むなら出生時刻も) |
「1日=1年」は、西洋占星術の中での決まりごとです。天文学の法則ではなく、出生図を時間とともに読むための物差しと考えてください。
計算のしかた|年齢と同じ日数を、生年月日に足す
計算の考え方は単純です。生まれた日時に、知りたい年齢と同じ日数を足します。
たとえば1990年4月10日のお昼に生まれた人なら、30歳の進行図は、30日後の1990年5月10日のお昼の空です。その日の星の位置を、生まれたときの図に重ねて読みます。
半年分、つまり0.5歳は、半日にあたります。1か月分の年齢は、約2時間です。
1年で進む度数|太陽は約1度、月は約12〜15度
進行の星が1年で進む度数は、その星が実際の空で1日に進む度数と同じです。天庵の計算で、2026年の毎日を調べました。
| 星 | 1日(=進行の1年)に進む度数 |
|---|---|
| 太陽 | 0.953〜1.019度(2026年の平均は0.9856度) |
| 月 | 約11.8〜15.3度(平均13.2度) |
太陽の進み方は、1月ごろに速く、7月ごろに遅くなります。国立天文台の資料によると、地球は1月に太陽へ最も近づき、7月に最も遠ざかるからです。
30度ずつ区切られた星座に当てはめると、進行の太陽はおよそ30年、進行の月は2年あまりで次の星座へ進みます。
例で見る|1990年4月10日正午生まれの人の進行図
具体的な例で見てみましょう。1990年4月10日の日本時間12時に生まれた人の、進行の太陽と月を計算しました。
| 年齢 | 進行の日付 | 進行の太陽 | 進行の月 |
|---|---|---|---|
| 0歳 | 1990年4月10日 | 牡羊座20.0度 | 天秤座19.8度 |
| 10歳 | 1990年4月20日 | 牡羊座29.8度 | 水瓶座21.6度 |
| 20歳 | 1990年4月30日 | 牡牛座9.5度 | 蟹座17.9度 |
| 30歳 | 1990年5月10日 | 牡牛座19.2度 | 蠍座22.6度 |
| 36.5歳(2026年10月) | 1990年5月17日 | 牡牛座25.5度 | 水瓶座11.4度 |

進行の太陽は、10.2歳で牡牛座へ
この人の太陽は、生まれたとき牡羊座20.0度にありました。牡牛座の始まりまで、残りは約10度です。
太陽は1日に約1度進むので、10日ほどで牡牛座に入ります。プログレスでは、これを10.2歳と読みます。
進行の月は、2〜3年ごとに次の星座へ
進行の月は、0.9歳で蠍座へ移り、そのあと2〜3年ごとに次の星座へ進みました。生まれたときの天秤座に戻ってきたのは、25.6歳のときです。
40歳までに、進行の月が星座を移る回数は17回でした。太陽が1つ移る間に、月は何度も表情を変えるわけです。
NASAの天体暦でも同じ位置になりました
表の太陽と月の位置は、出生図を作るときと同じ計算で求めました。10歳と30歳の進行の日付について、NASAの天体暦(JPL Horizons)と比べました。
太陽も月も、差は0.001度未満でした。進行図は、ふつうの天体の位置の計算で求められます。
進行の太陽が次の星座へ移るのは、平均15.2歳
では、多くの人の場合はどうでしょうか。天庵では、1960年から2009年までの毎日の正午に生まれた人について、進行の太陽が次の星座へ移る年齢を数えました。
| 年齢 | 進行の太陽が次の星座へ移った人の割合 |
|---|---|
| 10歳まで | 32.9% |
| 20歳まで | 65.7% |
| 30歳まで | 98.1% |
| 平均 | 15.2歳(いちばん遅い人で31.4歳) |

3人に1人は、10歳までに移っている
10歳までに移る人が、およそ3人に1人いました。この人たちは、子どものうちに進行の太陽が次の星座へ入っています。
30歳までには98.1%が移ります。ほとんどの人は、30歳になるまでに、進行の太陽が生まれたときと違う星座にいるということです。
年齢を決めるのは、誕生日の太陽の度数
移る年齢は、生まれたときの太陽が、その星座の何度にいたかでほぼ決まります。星座の終わり近くで生まれた人ほど、早く移ります。
誕生日が星座の切り替わり直後の人は、残りがほぼ30度あるため、30歳前後まで同じ星座にとどまります。自分の誕生日が星座の何日目かは、誕生日の星座早見表で確かめられます。
いちばん遅い人が31.4歳なのは、夏生まれの太陽がゆっくり進むためです。7月ごろの太陽は、1日に約0.95度しか進みません。
この数字の出し方
太陽が次の星座の区切りに届く時刻を、天庵の天体計算の道具で1人ずつ探しました。対象は18,263日で、生まれた時刻はどの日も日本時間の正午としています。
太陽が毎日0.9856度ずつ進むとした概算でも、平均は同じ15.2歳でした。2つの方法の差は、どの人でも約1年以内です。
進行の月|約2.3年ごとに移り、約27年で一巡り
進行の月は、プログレスの中でいちばん動きの速い星です。50年分の計算では、月が1つの星座にいる日数は平均2.28日でした。
プログレスでは、これがそのまま年数になります。進行の月は、平均2.28年ごとに星座を移り、12星座を約27.3年で一巡りします。
| 進行の月 | 年数 |
|---|---|
| 1つの星座にいる年数 | 平均2.28年(短いとき約1.95年、長いとき約2.55年) |
| 12星座をひと回りするまで | 約27.3年 |
月の星座は、心が安らぐ場面や、気持ちの立て直し方を表すと考えられています(くわしくは月星座とは)。進行の月の星座は、2〜3年ごとの気持ちのテーマとして読まれることがあります。
約27年で生まれたときの位置へ戻るのは、土星が戻るサターンリターンとは別の動きです。年齢が近いので、混同しないようにしましょう。
トランジット・ソーラーリターンとの違い
時期を読む技法は、プログレスのほかにもあります。この記事を含め、天庵の用語集で扱う3つを役割で比べました。
| 技法 | 何を動かすか | 時間の物差し | 読まれやすいこと |
|---|---|---|---|
| プログレス | 出生図そのもの | 生まれた後の1日=1年 | 数年単位の内面の移り変わり |
| トランジット | 今の空の星 | 実際の時間 | 今の空が自分の図に触れる時期 |
| ソーラーリターン | 誕生日ごとに作る図 | 1年に1枚 | その1年の過ごし方のテーマ |
トランジットは、今まさに空を動いている星と、生まれたときの図を比べます。外から来る季節の天気を見るようなものです。
ソーラーリターンは、太陽が生まれたときの位置へ戻る瞬間の図を、1年に1枚作ります。1年ごとに撮る、記念写真のような図です。
プログレスは、自分の図そのものをゆっくり進めます。季節にたとえるなら、外の天気ではなく、自分の内側の季節の移り変わりです。
3つは、どれが正しいかではなく、見ている時間の幅が違います。同じ時期を、3つの物差しで重ねて読む人もいます。
プログレスの読み方|予言ではなく、内側の季節を読む
プログレスは、出来事を言い当てるための道具ではありません。天庵では、自分の関心や気持ちの向きが、どう移ってきたかを振り返る物差しとして使っています。
進行図で、天庵が最初に確かめる3点
- 進行の太陽の星座:何十年かけて移る、大きな関心の向き。星座が変わった年の前後を、振り返ってみるきっかけにします
- 進行の月の星座:2〜3年ごとの気持ちのテーマ。今の進行の月の星座を、生まれたときの月と比べます
- 進行の星と、生まれたときの星の角度:角度の考え方はアスペクトとはで紹介しています
決めつけないための約束
進行の太陽が星座を移った年に、必ず何かが起きるわけではありません。星座が変わっても、生まれたときの太陽星座が消えるわけでもありません。
体のこと、お金のこと、人との別れや結婚の時期は、プログレスで決めないでください。その分野の専門家に相談し、ご自身で納得して選ぶことを大切にしてください。
天庵では、進行の季節を「何を育てるかを考える合図」として読みます。季節に合わせてどう過ごすかは、ご本人が決めることです。
自分のプログレスを調べる手順
自分のプログレスは、次の順で調べられます。
- 生年月日を確かめる。分かれば生まれた時刻と場所も用意する
- 知りたい年齢と同じ日数を、生年月日に足した日を出す
- その日の太陽と月の星座を調べる。出生図と同じ方法で計算できる
- 生まれたときの太陽・月の星座と並べて、どこまで進んだかを見る
星の星座を出すときの手順と注意は、ホロスコープとはの図の作り方の段も参考になります。
生まれた時刻が分からないと、年齢が前後半年ずれる
プログレスでは、生まれた時刻のずれが、そのまま年齢のずれになります。12時間のずれは、半年分です。母子手帳のほかに時刻の手がかりを探す方法は、月星座の調べ方で紹介しています。
時刻が分からない方は、正午で計算した結果を「前後半年ほどの幅がある目安」として読んでください。進行の太陽が星座を移る年も、同じように幅を持たせて見ます。
関連する用語
- トランジットとは:今の空の星と、生まれたときの図を比べる技法
- ソーラーリターンとは:太陽が出生時の位置へ戻る瞬間を、毎年一枚の図にする方法
- サターンリターンとは:約29年かけて土星が一周し、出生図の位置に再び来る節目
- 太陽星座とは:進行の太陽の出発点になる星座
- ホロスコープとは:プログレスで進める、出生図の見方
- 西洋占星術とは:プログレスを含め、生まれた日の空を読む占いの全体像
よくある質問
Q. 進行の太陽が星座を移ったら、性格が変わりますか?
出生図の太陽星座はそのまま残ります。プログレスでは、その上に新しい星座の色が少しずつ重なると読みます。
Q. 進行の太陽が、一生同じ星座のままの人はいますか?
この記事の計算では、30歳までに98.1%の人が次の星座へ移りました。32歳を過ぎても同じ星座のままの人は、一人もいませんでした。
Q. 進行の月が生まれたときの位置に戻る年齢に、特別な意味はありますか?
およそ27歳と55歳ごろに戻ります。人生を振り返る節目として読む人もいますが、何かが起きると決まっているわけではありません。
Q. トランジットとプログレス、初めはどちらから見ればいいですか?
今の時期の空気を知りたいならトランジット、数年単位の自分の変化を振り返りたいならプログレスです。まずは出生図を読めるようにしてから、どちらか一つを試すのがおすすめです。
Q. 進行図は、どんな道具で作れますか?
ホロスコープを作る道具の中には、進行図を作れるものがあります。作れない道具でも、年齢と同じ日数を足した日の図を作れば、同じ位置が分かります。
まとめ|プログレスは、自分の図に流れるゆっくりした季節
プログレスとは、生まれた後の1日を人生の1年に重ねて、出生図の星を進める技法です。
- 30歳の進行図は、生まれてから30日目の空で読む
- 進行の太陽は1年に約1度進み、次の星座へ移るのは平均15.2歳
- 進行の月は約2.3年ごとに星座を移り、約27年で一巡りする
- 出来事を言い当てる道具ではなく、内側の移り変わりを振り返る物差しとして使う
季節が移っても、何を育てるかは選べます。星の読みをどう生かすかは、いつもご本人の自由です。
ほかの用語もまとめて見たい方は、星座・占星術の用語集の一覧からどうぞ。
出典
位置の計算は、NASAの天体暦と国立天文台の資料で裏づけを取っています。技法の説明は英語版ウィキペディアと照らし合わせました(閲覧日:2026年10月14日)。
- 英語版ウィキペディア「Astrological progression」:「1日=1年」の技法の説明
- NASA JPL「Horizons System」:例の10歳・30歳の進行の日付の太陽と月の位置を照合
- 国立天文台「ほしぞら情報 2026年1月」:近日点(太陽にいちばん近づく日)は1月4日
- 国立天文台「ほしぞら情報 2026年7月」:遠日点(太陽からいちばん遠ざかる日)は7月7日


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