サビアンシンボルとは、黄道の360度に1つずつ割り当てられた、情景を描く短い言葉です。12星座それぞれの30度に、1度ごとの言葉が並んでいます。
結論から言うと、度数は「小数点以下があれば1つ繰り上げる」数え方をします。太陽が蟹座15度12分なら、見るのは蟹座16度の言葉です。
もう一つ大事なのは、誕生日だけでは度数が決まらないことです。太陽は1日に約1度進むため、ほとんどの日は1日のうちに度数が変わります。
この記事では、成り立ち、度数の数え方、調べ方、時刻が分からないときの読み方を順に説明します。360の言葉の一覧は載せていません(理由は後で説明します)。度数や感受点など、途中で出てくる言葉の意味は星座・占星術の用語集にそろえてあります。
サビアンシンボルとは?360の度数に1つずつある言葉
占星術では、太陽の通り道(黄道)を12に分けて12星座とします。国立天文台の暦計算室も、黄道十二宮を「黄道を30度ずつ12に等分した領域」と説明しています。
サビアンシンボルは、その30度をさらに1度ずつに分け、それぞれに情景の言葉を当てたものです。12星座×30度で、全部で360の言葉があります。
たとえば太陽星座が同じ蟹座でも、蟹座の何度にいるかで、当たる言葉は変わります。星座よりずっと細かい「位置」に注目する読み方です。
星座は「町」、度数は「番地」
天庵では、サビアンシンボルを住所にたとえて説明しています。星座が町の名前、度数がその町の番地です。
番地は1番地から30番地まであり、0番地はありません。星座に入ったばかりの0度台は、「1番地」と数えます。
| 住所のたとえ | ホロスコープでは | 数 |
|---|---|---|
| 町の名前 | 星座(牡羊座〜魚座) | 12 |
| 番地 | 星座の中の度数(1度〜30度) | 各星座に30 |
| 表札の言葉 | サビアンシンボル | 全部で360 |
サビアンシンボルを読むときは、まず正しい番地にたどり着くことが先です。番地を1つ間違えると、隣の家の表札を読むことになります。
1925年にアメリカで作られた、比較的新しい読み方
サビアンシンボルは、古代から伝わるものではありません。アメリカの占星術家マーク・エドモンド・ジョーンズが、1925年に作ったとされています。
作成には、エルシー・ウィーラーという女性が協力したとされます。ここでは、確かめられる年の出来事だけを年表にまとめました。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1923年 | ジョーンズが研究会「サビアン・アセンブリー」を作る |
| 1925年 | ジョーンズとウィーラーが360の言葉を作ったとされる |
| 1953年 | ジョーンズが『The Sabian Symbols in Astrology』を出版 |
| 1973年 | ディーン・ルディアが『An Astrological Mandala』を出版 |
解釈の本には、ジョーンズの本やルディアの本などがあります。同じ度数でも、本によって言い回しや読み方が違います。
この記事に360の言葉の一覧を載せない理由
原典の作者ジョーンズは1980年に亡くなっています。英語の原文には、今も権利が続いている可能性があります。
日本語訳にも、訳した方の権利があります。そのため天庵では、言葉の一覧や個々の訳文は載せず、数え方と調べ方に絞って説明します。
言葉そのものは、翻訳書や、度数を入れると言葉を表示してくれるツールで確かめてください。どの訳がよいかは、読み比べてしっくりくるものを選ぶのがおすすめです。
サビアンシンボルの度数の数え方|小数点以下があれば1つ繰り上げる
いちばん迷いやすいのが、度数の数え方です。ホロスコープのツールは、天体の位置を「蟹座15度12分」のように度と分で表示します。
サビアンシンボルでは、この数字を1つ繰り上げて読みます。15度12分は「15度を過ぎて16度目に入っている」ので、蟹座16度の言葉を見ます。
これは、多くの計算ツールで使われている数え方です。
| ツールの表示 | サビアンシンボルで読む度数 |
|---|---|
| 蟹座0度12分 | 蟹座1度 |
| 蟹座12度18分 | 蟹座13度 |
| 蟹座15度12分 | 蟹座16度 |
| 蟹座29度50分 | 蟹座30度 |
つまり、表示された「度」の数字に1を足すと、サビアンの度数になります。0度台は1度、29度台は30度です。

「0度」のサビアンシンボルはない
サビアンシンボルの番号は、各星座1度から30度までです。ツールで「牡羊座0度」と出たら、牡羊座1度の言葉を読みます。
反対に、「30度」と表示されることはふつうありません。29度59分の次は、隣の星座の0度0分になるからです。
ちょうど「◯度00分」のときは扱いが分かれる
天体がぴったり15度00分にあるような場合は、15度と16度のどちらとするか、扱いが分かれます。
ぴったり00分になることはめったにありません。気になる場合は、両方の言葉を読み比べておくと安心です。
度数を四捨五入して表示するツールに注意
ツールや記事によっては、度数を四捨五入して「13度」とだけ表示することがあります。この場合、本当の位置は12度30分〜13度29分のどこかです。
前半なら13度、後半なら14度のサビアンになり、1つずれることがあります。度と分の両方が出る画面で確かめてください。
サビアンシンボルの調べ方|3つの手順
- ホロスコープ作成ツールに生年月日・時刻・場所を入れ、天体の星座と「度・分」を書き出す
- 表示された度の数字に1を足して、サビアンの度数にする(0度台は1度)
- その星座と度数の言葉を、翻訳書やツールで確かめる
ホロスコープ(生まれた瞬間の星の配置を円に描いた図)の出し方は、ホロスコープとはの記事にまとめています。
最初に読むのは、太陽の度数がおすすめです。性格の芯を表す太陽星座を、さらに細かく見る読み方になります。
慣れてきたら、アセンダントやMCのサビアンを読む人もいます。この2つは、出生の時刻と土地が分かって初めて出せる点です。
例:2026年7月7日の太陽は、午前と午後で度数が違う
国立天文台の暦では、2026年の小暑は7月7日10時57分です。小暑は、太陽の黄経(通り道の上の位置)が105度になる瞬間です。
105度は、蟹座のちょうど15度にあたります。そのため、この日の太陽のサビアンは、時刻で次のように分かれます。
| 2026年7月7日の時刻(日本時間) | 太陽の位置 | サビアンの度数 |
|---|---|---|
| 0時〜10時56分 | 蟹座14度台 | 蟹座15度 |
| 10時57分〜23時59分 | 蟹座15度台 | 蟹座16度 |
同じ七夕生まれでも、朝生まれと午後生まれで、読む言葉が変わる例です。天庵の計算でも、国立天文台と同じ10時57分に切り替わりました。

誕生日だけでは1つに決まらない理由|天庵の計算
太陽は約365.24日で黄道の360度を進むので、1日あたりでは約0.99度です。
番地が1度ずつなので、太陽はほぼ毎日、1日のどこかで次の番地に移ります。誕生日は分かっても時刻が分からないと、度数を候補の中から1つに決められません。
天庵では、1960〜2009年の18,263日(日本時間)について、太陽の度数を1日ずつ計算しました。
| 調べたこと | 結果 |
|---|---|
| 太陽が1日に進む量 | 約0.95〜1.02度(平均0.99度) |
| 1日のうちに太陽のサビアン度数が変わる日 | 18,263日中17,913日(98.1%) |
| 1日中、同じ度数だった日 | 350日(1.9%) |
| (参考)1日のうちに太陽の星座が変わる日 | 600日(3.3%) |
星座が1日のうちに変わる日は、100日に3日ほどです。ところが度数で見ると、100日のうち98日は1日のうちに変わります。
星座は誕生日でほぼ決まるのに、サビアンの度数は決まらない。この差が、サビアンシンボルを調べるときのいちばんの落とし穴です。
同じ誕生日でも、生まれた年で度数がずれる
太陽が同じ位置に来る日時は、毎年少しずつずれます。星座の境目が年によって動くのと同じ理由です(誕生日の星座早見表でくわしく説明しています)。
そのため、同じ誕生日の同じ正午に生まれても、年によってサビアンの度数が違います。1960〜2009年の50年分で数えると、次のとおりでした。
| 同じ誕生日・正午生まれでありうる度数 | 日数(2月29日を除く365日) |
|---|---|
| 2通り | 323日 |
| 3通り | 42日 |
たとえば11月3日の正午生まれは、50年のうち47年が蠍座11度でした。残りは、蠍座10度が1年、蠍座12度が2年です。
7月7日の正午生まれでは、蟹座15度が33年、蟹座16度が17年でした。同じ日付でも、年によって半々に近い分かれ方をする日もあります。
時刻も年も分からないと、候補は3〜4つ
生まれた時刻も、年も考えに入れないと、同じ誕生日でありうる度数はさらに増えます。
| 同じ誕生日でありうる度数(時刻と年を問わない) | 日数(2月29日を除く365日) |
|---|---|
| 3通り | 335日 |
| 4通り | 30日 |
「◯月◯日生まれのサビアンは◯◯」と、日付だけで1つに決める一覧があります。便利ですが、その度数が自分に当たるとは限らない、ということです。
時刻の記録がない人のサビアンシンボル|正午の度数と隣の度数を読む
時刻が分からない方は、まず生まれた年と日付で、正午の太陽の度数を出してください。そのうえで、前後1つずつの度数も候補に入れます。
たとえば正午で蟹座16度なら、蟹座15度・16度・17度の3つが候補です。ただ、時刻のずれは最大でも半日です。ほとんどの日は、「正午の度数」と「隣のどちらか1つ」の2つに絞れます。
例外は、50年のうち75日(0.4%)です。正午の太陽が度のほぼ真ん中にある日は、3つとも候補に残ります。
正午の位置が度の前半(◯度0分〜29分台)なら、朝生まれでは1つ前の度数の可能性があります。後半(◯度30分〜59分台)なら、夜生まれで1つ後の度数になることがあります。
候補の言葉が2つ残ったら、無理に1つに決める必要はありません。2つの言葉に共通する景色を探して読むのが、天庵のおすすめです。
月・アセンダント・MCのサビアンは、時刻がないと読めない
月は1日に12〜15度ほど進みます。天庵の計算では、1日のうちに月が通るサビアンの度数は12〜17個でした。
アセンダントやMCは、さらに速く動きます。MCは平均すると4分ほどで1度進むため、分単位の出生時刻が要ります。
時刻が分からない方は、これらの天体と感受点のサビアンは読まず、太陽だけを手がかりにしてください。月の星座を候補から絞る考え方は、月星座とはで紹介しています。

サビアンシンボルを読むときの注意
サビアンシンボルの言葉は、短い情景のイメージです。説明文ではないので、読む人によって受け取り方が大きく変わります。
言葉を「運命」や「魂の目的」として断定する読み方もありますが、天庵ではそう読みません。確かめる方法のない話だからです。
天庵では、言葉を「自分の持ち味を考えるきっかけ」として扱います。浮かんだ景色から、今の暮らしに役立つヒントを一つ拾えれば十分です。
星座の読みとあわせて、細部として読む
サビアンシンボルは、星座の読みの上に重ねる細部です。いきなり度数の言葉だけを読むと、その天体の星座の性質から離れてしまいます。
先に星座と天体の意味をつかみ、そのうえで「この星座の中の、この景色」と読むと、言葉の位置づけが分かりやすくなります。
度数を使う読み方は、ほかにもあります。二つの天体が度数で重なるコンジャンクションも、その一つです。
天庵式相性指数は、度数ではなく星座で採点する
天庵式相性指数は、サビアンシンボルや度数を使っていません。点数の材料は、二人の天体がそれぞれどの星座にあるか、という組み合わせだけです。
度数は、ここまで見たように時刻と年で揺れます。生年月日だけで安定して出せるよう、天庵式は星座の単位で数えています。
よくある質問
Q. サビアンシンボルは、誕生日だけで調べられますか?
A. 誕生日だけでは、多くの場合1つに決まりません。天庵の計算では、98.1%の日は1日のうちに太陽の度数が変わります。生まれた年と時刻もそろえて調べてください。
Q. ツールで「0度」と表示されました。どの言葉を読めばいいですか?
A. その星座の1度の言葉を読みます。サビアンシンボルは各星座1度から30度までで、0度台は1度と数えます。
Q. サイトによって、自分のサビアンが1つずれるのはなぜですか?
A. よくあるのは4つです。繰り上げの有無、ちょうど00分の扱い、度数の四捨五入、出生時刻の入れ方の違いです。
Q. 太陽以外の天体でも使いますか?
A. 使います。月や金星、アセンダントなど、どの天体や感受点にも度数があり、それぞれにサビアンがあります。ただし、動きの速い月やアセンダントは出生時刻が必要です。
Q. サビアンシンボルの言葉は、当たるものですか?
A. 天庵では、当たり外れを決めるものとしては扱いません。短い情景の言葉を、自分を見つめるきっかけとして読むのがおすすめです。どう受け取るかは、ご自身で決めてください。
まとめ|サビアンシンボルは、正しい番地を確かめてから読む
- サビアンシンボルとは、黄道の360度に1つずつ当てられた、情景を描く短い言葉
- 1925年にジョーンズとウィーラーが作ったとされ、1953年に本として出版された
- 度数は小数点以下があれば1つ繰り上げる。0度台は1度、29度台は30度
- 太陽は1日に約1度進むため、98.1%の日は1日のうちに度数が変わる
- 時刻が分からないときは、正午の度数と隣の度数を候補として読む
まずは太陽の度数を、度と分まで確かめてみてください。正しい番地にたどり着いてから言葉を読むと、受け取れるものが変わってきます。
ほかの用語を調べたいときは星座・占星術の用語集へ、12星座の性格は星座一覧へどうぞ。
出典 – 国立天文台 暦計算室「暦Wiki/黄道十二宮」(黄道を30度ずつ12に分けること) – 国立天文台 暦計算室「令和8年(2026)暦要項 二十四節気および雑節」(小暑の時刻と太陽黄経) – Wikipedia(英語)「Marc Edmund Jones」(1923〜1980年の出来事) – Wikipedia(英語)「Dane Rudhyar」(1973年の著書)
この記事は西洋占星術の一つの読み方です。読み方を断定するものではありません。


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