惑星記号とは、太陽や月、水星から冥王星までの天体を、1文字で表す記号です。ホロスコープ(生まれた瞬間の星の配置図)では、天体の名前の代わりにこの記号が並びます。
最初の章は10天体の惑星記号の一覧で、文字番号とコピー用の文字も並べています。続いて、形の由来、記号が2種類ある天王星と冥王星、感受点やアスペクトの記号を順に紹介します。
先に要点をまとめます。古くから使われてきた7つの記号は、丸・三日月・十字・矢の4つの部品の組み合わせで読めます。後から見つかった天王星・海王星・冥王星には、人の名前の頭文字や、神さまの持ち物が入っています。
表の文字番号と正式名は、天庵が世界共通の文字の規格(Unicode)と1字ずつ照らし合わせて載せました。
惑星記号の一覧|10天体の記号・文字番号・コピー用の文字
ホロスコープで使う10天体を、太陽から順に並べました。いちばん右の列を選んでコピーすると、そのまま貼り付けられます。
| 記号 | 天体(読み) | 占星術で表すテーマ(ひとこと) | 文字番号 | コピー用 |
|---|---|---|---|---|
| ☉ | 太陽(たいよう) | 自分らしさ・生きる方向 | U+2609 | ☉ |
| ☽ | 月(つき) | 気持ち・安心のしかた | U+263D | ☽ |
| ☿ | 水星(すいせい) | 話し方・考え方 | U+263F | ☿ |
| ♀︎ | 金星(きんせい) | 好きなもの・愛し方 | U+2640 | ♀︎ |
| ♂︎ | 火星(かせい) | 行動力・やる気の出し方 | U+2642 | ♂︎ |
| ♃ | 木星(もくせい) | 広がり・のびしろ | U+2643 | ♃ |
| ♄ | 土星(どせい) | 責任・積み重ね | U+2644 | ♄ |
| ♅ | 天王星(てんのうせい) | 変化・自分だけの発想 | U+2645 | ♅ |
| ♆ | 海王星(かいおうせい) | 想像・あこがれ | U+2646 | ♆ |
| ♇ | 冥王星(めいおうせい) | 根っこからの変化 | U+2647 | ♇ |
太陽と月は惑星ではありませんが、占星術では「天体」として惑星と同じ表で扱います。そのため、まとめて「惑星記号」と呼ばれることが多いです。テーマの列は、占星術での代表的な読み方を短くしたものです。
♀と♂のコピー用には、目に見えない合図(U+FE0E)を付けました。この2つだけは、スマホで絵文字として表示されることがあるためです。くわしい理由は、後の「表示と入力」の章で説明します。
各天体が12星座を一巡りする速さは、ホロスコープとはの「天体の記号」の段に表があります。速い天体ほど一人ひとりの違いが出やすく、遅い天体は同じ世代で共通しやすい星です。
形の由来|丸・三日月・十字・矢の4つの部品で見る

惑星記号を覚えるとき、天庵は「部品」に分けて見る方法をおすすめしています。古くから使われてきた7つは、次の4つの部品だけで組み立てられているからです。
| 記号 | 天体 | 使っている部品 | 言い伝えられている由来 |
|---|---|---|---|
| ☉ | 太陽 | 丸(+中心の点) | 古いギリシャの文書では、丸から光が1本出た形だったとされます |
| ☽ | 月 | 三日月 | 月の満ち欠けの形で、古代から使われてきたとされます |
| ☿ | 水星 | 三日月・丸・十字 | 神の使いヘルメスが持つ杖を、簡単にした形とされます |
| ♀︎ | 金星 | 丸・十字 | 女神の手鏡とする説と、首飾りとする説があります |
| ♂︎ | 火星 | 丸・矢 | 戦いの神の盾と槍を表すとされます |
| ♃ | 木星 | 三日月(弧)・十字 | ゼウスの頭文字、ギリシャ文字の「Ζ(ゼータ)」が元とされます |
| ♄ | 土星 | 十字・三日月(弧) | クロノスの頭の2文字「Κ」「Ρ」が元とされます |
この章の由来は、主に英語版ウィキペディアによっています。項目は「Planet symbols」と「Astronomical symbols」です。どれも「とされる」説明で、確かな答えが1つに決まっているわけではありません。
十字は、あとから足された部品
水星・金星・木星・土星の十字は、はじめから付いていたわけではないとされます。十字が見られるようになったのは、16世紀ごろといわれます。古い神々の記号に、キリスト教の色を添えるためだった、という見方もあります。
いま見る太陽の「丸に点」の形も、使われ始めたのはルネサンス期とされます。つまり、記号の形は長い時間をかけて少しずつ整ってきたものです。
「丸は心、十字は体」という読み方について
現代の占星術の解説では、丸を「精神」、三日月を「心」、十字を「物質」と読む説明をよく見かけます。たとえば金星は「精神が物質の上にある形」のように読むわけです。
ただ、どの部品に何を当てはめるかは、解説によって違います。三日月と十字の意味を入れ替えている解説もあります。また、上で見たとおり十字はあとから足された部品です。そのため天庵では、この読み方を「覚えるための手がかりの一つ」として紹介するにとどめています。
天王星・海王星・冥王星は、部品で読めない
望遠鏡の時代に見つかった3つは、4つの部品だけでは読めません。代わりに、名前の頭文字や神さまの持ち物が入っています。
- ♅ 天王星:見つけた天文学者ハーシェルの頭文字「H」の下に、丸を付けた形とされます
- ♆ 海王星:海の神ネプチューンが持つ三つまたの矛(ほこ)です。柄に十字が付く形が一般的です
- ♇ 冥王星:「P」と「L」の2文字を組み合わせた形です。由来は次の章で、もう1つの形と並べて紹介します
部品で読める7つと、文字や持ち物で読む3つ。この2つに分けると、10個の記号がぐっと覚えやすくなります。
天王星と冥王星は、記号が2種類ある
天王星と冥王星には、広く使われている記号が2つずつあります。占星術の本やツールで形が違って見えても、どちらも同じ天体を指しています。
| 記号 | 天体 | 規格上の名前 | 文字番号 | コピー用 |
|---|---|---|---|---|
| ♅ | 天王星 | URANUS | U+2645 | ♅ |
| ⛢ | 天王星 | ASTRONOMICAL SYMBOL FOR URANUS | U+26E2 | ⛢ |
| ♇ | 冥王星 | PLUTO | U+2647 | ♇ |
| ⯓ | 冥王星 | PLUTO FORM TWO | U+2BD3 | ⯓ |
天王星|♅は「H」の字、⛢は丸に矢

♅は、1784年に天文学者ラランドが提案した形とされます。天王星を見つけたハーシェルに宛てた手紙で「あなたの名前の頭文字をのせた球」と書いたそうです。
もう一つの⛢は、丸の中に点があり、上へ矢が伸びる形です。こちらは、当時見つかった金属のプラチナを表す記号として考えられたとされます。プラチナは鉄と混ざって見つかったため、鉄(♂)と金(☉)の記号を合わせた形にしたといわれます。
英語版ウィキペディアでは、天文学者は⛢を、占星術家は♅を使うことが多いと説明されています。Unicode でも、⛢の正式名は「天王星の天文学での記号」です。
冥王星|♇は「PL」、⯓は二叉の矛と球
♇は、PとLの2文字を重ねた形です。冥王星(Pluto)とも、探索を始めたローウェルの頭文字とも読めるとされます。1930年5月1日、名前の発表とあわせて示されたとされます。
⯓は、冥王が持つ二叉の矛(ふたまたのほこ)の上に、球を置いた形とされます。アメリカの占星術家ポール・クランシーが広めたとされ、占星術でよく使われます。Unicode の文字表でも、⯓は「冥王星の占星術の記号」の見出しの下に置かれています。
見た目だけなら、⯓は丸・三日月・十字に分けて見ることもできます。矛の先が三日月のように見えるためで、覚えるときの目安になります。
天文学では、記号そのものをあまり使わない
国際天文学連合(IAU)は、学術論文で惑星記号を使うことを勧めていません。代わりに、天体名を1〜2文字の略号で書くよう勧めています。いまの惑星記号は、主に占星術や、暦・図鑑などで使われています。
なお、冥王星は2006年に「準惑星」に分類が変わりました。占星術では、いまも10天体の1つとして読みます。
感受点・小天体・逆行の記号(☊ ☋ ⚸ ⚷ ℞)
ホロスコープには、天体のほかにも記号が出てきます。感受点(天体ではないが、計算で出す大切な点)などの記号を集めました。
| 記号 | 名前 | 示すもの | 文字番号 | コピー用 |
|---|---|---|---|---|
| ☊ | ドラゴンヘッド | 月の通り道と太陽の通り道が交わる点(北側) | U+260A | ☊ |
| ☋ | ドラゴンテイル | ドラゴンヘッドの真向かいの点 | U+260B | ☋ |
| ⚸ | リリス | 月の軌道で、地球からいちばん遠い点 | U+26B8 | ⚸ |
| ⚷ | キロン | 1977年に見つかった小天体 | U+26B7 | ⚷ |
| ℞ | 逆行 | 天体が後ろへ下がって見える時期の印 | U+211E | ℞ |
ドラゴンヘッドとテイルの意味はドラゴンヘッドとは、リリスの種類はリリスとはでくわしく説明しています。
キロンの⚷は、鍵と「OK」の形
キロンの記号は、鍵を簡単にした形とされます。同時に、見つけたコワル(Kowal)にちなむ「OとK」の文字にも見えるように作られたといわれます。
逆行の℞は、処方箋の「R」
℞は、右下に払いが付いた大文字の「R」です。Unicode の正式名は「PRESCRIPTION TAKE」で、もとは処方箋の書き出しに使う印でした。ホロスコープでは、出生時に後ろ向きに進んで見えていた天体の脇に、この印が添えられます。ただの「R」で示すツールもあります。逆行の期間と読み方は、惑星の逆行とはにまとめました。
アセンダントやMCには、決まった1文字の記号がありません。多くの図では、「Asc」「MC」と英字で示されます。
アスペクトの記号一覧(☌ ☍ □ △ ⚹ など)
アスペクトとは、2つの天体がホロスコープの円の上で何度離れているかを見る考え方です。角度ごとに記号があり、図の中央の線や一覧表に出てきます。
| 記号 | 角度 | 名前 | 形の説明 | 文字番号 | コピー用 |
|---|---|---|---|---|---|
| ☌ | 0度 | コンジャンクション | 丸に線。2つが並ぶ様子 | U+260C | ☌ |
| ⚺ | 30度 | セミセクスタイル | V字の下に横線。⚻を上下さかさまにした形 | U+26BA | ⚺ |
| ∠ | 45度 | セミスクエア | もとは四角の半分のL字。いまは鋭い角 | U+2220 | ∠ |
| ⚹ | 60度 | セクスタイル | 正六角形の内側で交わる線 | U+26B9 | ⚹ |
| □ | 90度 | スクエア | 直角を持つ四角 | U+25A1 | □ |
| △ | 120度 | トライン | 正三角形 | U+25B3 | △ |
| ⚼ | 135度 | セスキコードレート | ∠と□を重ねた形(45度+90度) | U+26BC | ⚼ |
| ⚻ | 150度 | クインカンクス | 横線の下に山形。⚺を上下さかさまにした形 | U+26BB | ⚻ |
| ☍ | 180度 | オポジション | ☌の線の先にもう1つ丸。向かい合う様子 | U+260D | ☍ |
角度ごとの形の話は、英語版ウィキペディアにまとまっています(項目は「Astrological symbols」)。0・60・90・120・180度の5つが主に使われ、残りは補助的なアスペクトです。それぞれの角度の読み方は、アスペクトとはで解説しています。
□と△は、アスペクト専用の文字ではありません。Unicode では、ふつうの「白い四角」「白い三角」として登録されています。そのため、日本語入力で「しかく」「さんかく」と打つと出せることが多い記号です。
⚹は、よく似た「*(アスタリスク)」とは別の文字です。検索や文字数の数え方が変わるので、図の説明に使うときは表の文字をコピーすると確実です。
0度の重なりはコンジャンクションとは、3つ以上の天体が作る形はグランドトライン・Tスクエアとはでくわしく紹介しています。
見間違えやすい惑星記号の組
ホロスコープの小さな文字では、形の似た記号を取り違えることがあります。見分けるところを、1つの表にまとめました。
| 似ている2つ | 見分けるところ |
|---|---|
| ♀ 金星 と ⚸ リリス | 十字の上が「丸」なら金星、「黒く塗った三日月」ならリリス |
| ♃ 木星 と ♄ 土星 | 数字の「4」に近いのが木星、小文字の「h」に近いのが土星 |
| ♂ 火星 と ⛢ 天王星 | 矢が斜め右上なら火星。丸の中に点があり、矢が真上なら天王星 |
| ☊ ドラゴンヘッド と ☋ ドラゴンテイル | 馬蹄形の口が下に開くのがヘッド、上に開くのがテイル |
| ☌ コンジャンクション と ☍ オポジション | 線の先に丸がもう1つ付けば、180度のオポジション |
| ☽ と ☾ | どちらも月の記号。三日月の向きが違うだけです |
金星の♀と、牡牛座の♉もまぎらわしい組です。星座のマークの見分け方は、星座のマーク(記号)一覧で12星座ぶんまとめています。
惑星記号の表示と入力|□や絵文字になるとき

色付きの絵文字になるのは、♀と♂だけ
12星座のマークは、スマホで紫色の四角の絵文字になりやすい記号です。いっぽう、この記事の記号で Unicode の絵文字のデータに入っているのは、♀と♂だけです。
そのため、ほかの惑星記号は、ふつうは文字の形のまま表示されます。♀と♂は男女の印として絵文字にもなっているので、アプリによっては色付きで出ます。色の付かない形で貼りたいなら、最初の表の右端の列から写すのが手軽です。
⯓や⛢が「□」や空白になるとき
新しく加わった文字は、端末の書体が対応しておらず、四角や空白になることがあります。⛢が Unicode に加わったのは2010年、⯓は2018年です。
相手の画面で確実に読ませたいときは、♅と♇を使うと安心です。どちらも1993年の版から入っている、古い文字です。
読みで変換できる記号は少ない
惑星記号のうち、読みの変換で出しやすいのは♂と♀くらいです。多くの日本語入力では、「おす」「めす」と打つと候補に出ます。ほかの記号は、Mac の文字ビューアや Windows の IMEパッドで探せます。検索欄に Jupiter のような英語名を入れると早いです。
入力の手順は、星座のマークとほぼ同じです。画面の開き方などは、星座のマーク一覧の入力方法の章をご覧ください。表の番号は、Unicode が公開している文字の一覧(英語・PDF)と同じです。
記号から、それぞれの天体の読み方へ
記号の天体がわかったら、ホロスコープでの意味も読んでみませんか。天庵の用語集では、天体ごとに次の記事があります。
- ☉ 太陽:太陽星座とは。誕生日で決まる、いちばん身近な星座です
- ☽ 月:月星座とは。気持ちの動き方を表します
- ☿ 水星:水星星座とは。話し方や考え方の癖が出ます
- ♀ 金星:金星星座とは。好きになるものや愛し方を読みます
- ♂ 火星:火星星座とは。行動の勢いや怒り方の傾向です
- ♃ 木星:木星星座とは。約12年で12星座を巡ります
- ♄ 土星:サターンリターンとは。土星が生まれた位置に戻る時期の話です
- ♅ ♆ ♇:守護星とは。3つの天体が星座の守護星に加わった経緯を紹介しています。生まれた日の3つの星座は、世代の星の早見表で引けます
天体以外の言葉の意味は、星座・占星術の用語集の一覧から順にたどれます。
惑星記号のQ&A
Q. ホロスコープでは、星座のマークと惑星記号をどう組み合わせて読みますか?
A. 星座のマーク(♈〜♓)は、空を12に分けた区画を表します。惑星記号は、その区画の中にある天体そのものを表します。ホロスコープでは「♀が♉にある」のように、2つを組み合わせて読みます。
Q. 地球の記号はありますか?
A. あります。丸の上に十字をのせた♁(U+2641)や、丸の中に十字を書いた形が使われます。ただ、ホロスコープは地球から見た空の図なので、ふつうは地球の記号は出てきません。
Q. 月の記号は、☽と☾のどちらが正しいですか?
A. どちらも月を表す記号として使われます。Unicode の正式名は、☽が「上弦の月」、☾が「下弦の月」にあたる名前です。この記事の表では☽を載せていますが、向きが違っても同じ月を指します。
Q. 「R」と「℞」は、意味が違いますか?
A. どちらも、その天体が逆行していたことを示す印です。ツールによって、ふつうの「R」で示すか、℞で示すかが違うだけです。
Q. 冥王星を♇で表す本と、⯓で表す本があるのはなぜ?
A. 冥王星には♇と⯓の2つの記号があり、どちらを使うかはツールや書き手しだいだからです。天王星の♅と⛢も同じです。形が違っても、指している天体は同じです。
まとめ|惑星記号は「部品」と「頭文字」で覚えられる
- 惑星記号は、太陽☉から冥王星♇まで、10天体ぶんあります
- 古くからの7つは、丸・三日月・十字・矢の4つの部品の組み合わせです
- 天王星・海王星・冥王星には、人の頭文字や神さまの持ち物が入っています
- 天王星は♅と⛢、冥王星は♇と⯓の2種類の記号があります
- 感受点の☊☋⚸、逆行の℞、アスペクトの☌☍□△⚹にも決まった文字があります
- スマホで絵文字になりやすいのは♀と♂だけです。⯓は書体によって表示されないことがあります
記号が読めるようになると、ホロスコープの図がぐっと身近になります。図全体の見方はホロスコープとはで解説しています。
※記号の由来には諸説があります。この記事の説明は、下の出典で確かめられた範囲にとどめています。
出典 – Unicode の文字表(Code Charts):U2600.pdfほか3つ – Unicode のデータ:emoji-data.txt・DerivedAge.txt(16.0) – 英語版ウィキペディア:Planet symbols ほか2項目(本文中にリンク) – いずれも2026年10月13日に確認しました


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